全国共通交通系ICカードなど交通系ICカードの話(イントロダクション)


○交通マニアとして、いろいろ調べた交通系ICカード

CYBER STATION(JRシステムのISP(プロバイダー))で、会員サービスとしてPC-STN(パソコン通信)からずっと続いてきた「電子掲示板」
こちらが、私以外長いこと書き込みがなくなったということで、2015/11/3をもってサービスを終了しました。
そこで、「交通系ICカードを語ろう」というスレッドを(別の会員の方が)立ち上げたので、2007年11月から書き込んでおりました。

最初は、こんな感じで、これまたすでに終わった「nikkeibp.jp倶楽部(会員制2006年末で終了)」の引用から始まりました。


<情報>(素人的な説明が多々あることはご容赦ください。)

ICカード乗車券: 非接触型のICカードを使って自動改札する乗車券。改札機の所定の場所にタッチすることで、入札・改札し料金が精算されます。

PiTaPa:2004.8? スルッとKANSAIが導入を予定しているICカード乗車券。

スルッとKANSAI:1996.3~ 関西私鉄で共通で使用できるプリペード磁気カード乗車券
いわゆる大手私鉄4社(阪急・阪神・南海・近鉄)や接続するその他の私鉄各社線、京都・大阪・神戸の地下鉄と、各市営・私営のバス路線で使用できる。
関東の方には「パスネット」(2000.10~)の関西版と言えばわかりやすいでしょう。

Suica:2001.11 JR東日本のICカード乗車券。
JRの他、東京モノレール、りんかい線でも使用できる。

ICOCA:2003.11 JR西日本のICカード乗車券。
Suicaのキャラクターはペンギンだが、ICOCAはカモノハシ。改札のリーダ等、Suicaによく似ています。

ICカードの支払方式(*):
 プリチャージ式:   あらかじめ料金を支払う方式。カードにチャージされた金額が少なくなったら追加していく。
  SuicaやICOCAのように券売機等で金額を追加するセルフチャージ式の他、残高が一定額を下回ると自動的に積み増すオートチャージ方式もある。 JCBが道北バス(北海道旭川市)に9月に導入予定)
 ポストペイ式 :   使用した分を後から決裁する方式。
  PiTaPaはこの方式。毎月使用した金額が登録時に指定した金融機関の口座から引き落とされます。

定期券との連携:  定期券といっしょにすることで、乗り越し精算が自動でしてくれる。
 同じカードを繰り返し使用する(券面の印刷をやり直す)ので、地球にもやさしい(?)

各カードの連携:  ICOCAとPiTaPaについては相互利用の計画はあるようです。 ICOCAにはSuicaとの相互利用の話もあります。
 1枚のカードでの利用範囲が広がることはありがたいことです。 (スルッととパスネットとイオカードとJスルーとたまに回数券カードと。。と混在すると。。自動改札に間違えて入れることもしばしば。)

料金精算の方式:  ICカード、磁気カードとも、関東では入札時に初乗運賃を引き落とすのに対して、関西は出札時に全額引き落とし。
 関西人の気質がそうさせた(※)というお話があるようですが、
 今回のポストペイもチャージが面倒というところから来ているのか?と思えたりもします。
 ※スルッとの前身の阪急のラガールカードでは、残額が初乗りより少ないと入札できませんでしたが、スルッとになって残額10円でも入札できるようになりました。

(2005/8/25)PiTaPa拡大計画
2006年春 :大阪市交通局(地下鉄・バス)、阪神(電車のみ)大阪モノレール、北大阪急行、大阪港トランスポートシステム、阪急バス、神姫バス(バスは路線毎に順次)

2006年夏 :南海、泉北高速、神戸高速、山陽電鉄(電車のみ)神戸新交通(ポートライナー、六甲ライナー)大阪空港交通(リムジンバス)

2006年秋 :岡山電気軌道、両備バス、下津井電鉄

2006年秋以降 :神戸市交通局(地下鉄のみ)、北神急行

2007年春 :近鉄、奈良交通

2007年春以降:京都市交通局、神戸電鉄等

いつのまにか、沖縄でもショッピングに使えるようになっていたりするのですが。。
神戸、京都よりも、岡山が先なんですね。

(2004/8/2) 8/1運用開始
・PiTaPa(阪急・能勢・京阪) ・JR Suica、ICOCA相互利用 (余裕できたら、詳細UPします。)

(7/30) PiTaPa 8/1よりいよいよ正式運用開始です。
京阪電車は、もともとTV CMをけっこう流しているのですが、最近はこのPiTaPaのCMになっています。
(おけいはん先生が人形といっしょにイーケネットPiTaPaについて説明するというものです。)

*****

関西私鉄で使用できるICカード乗車券「PiTaPa(ピタパ)」のモニター使用者の募集が始まりました。
先行会員という形で、3/1~15の間募集しています。募集人数は1,000名。使用開始は3/27です。
応募条件として、下記3社を週1回以上使用でき、決裁可能な金融機関口座を持つ18歳以上の人となっています。

「PiTaPa」の本格的な運用開始は今年の夏です。
最初は、阪急電鉄、能勢電鉄、京阪電車の3社で、順次「スルッとKANSAI」参加の各社に広がるようです。
ICカードの乗車券といえば、JR東日本のSuica(スイカ)、JR西日本のICOCA(イコカ)が有名なところかと思います。
東京出張でSUICAの便利さを知ったので、普段使用する関西私鉄でのICカード乗車券は心待ちにしていたのですが、HP等の説明を見ると、どうやら少し使い勝手が違うようです。
Suica、ICOCAが料金チャージ式なのに比べて、「PiTaPa」はポストペイと呼ばれる事後決済になるのだそうです。

関連サイト:
PiTaaPa公式ページ
http://www.pitapa.com/
スルッとKANSAI公式ページ
http://www.surutto.com/
パスネット公式ページ
http://www.railfan.ne.jp/passnet/
JR東日本のSuicaのページ
http://www.jreast.co.jp/suica/
JR西日本のICOCAのページ
http://www.jr-odekake.net/guide/icoca/
鉄道会社でのICカードの規格について(*)
http://www.jicsap.com/2001.6.19.html
交通系ICカードの導入状況(平成15年1月現在)(*)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/ns/jireishuu/bus/iccasdshiryou_5.htm
鉄道のICカード乗車券情報(*)
http://www2e.biglobe.ne.jp/~alf/railway/ic_card/
鉄道ICカード関連情報(*)
http://hp.vector.co.jp/authors/VA006094/iccard/

日経新聞のICカード関連情報のページ
http://it.nikkei.co.jp/it/sp/iccard.cfm

#(*)はsh-katoさん提供の情報です。ありがとうございました。
[注:上記リンクはアップ当時のもので現時点での確認はしておりません]





そんなこんなで、「9年近く」書きためたものがあるので、それをまとめてみようかと思ったのであります。

○直近の交通系ICカードのまとめ


・全国共通交通系ICカードは、どこまで使えるのか
(2015/09/22)

交通系ICカードは全国相互利用になって、どれも同じように使えるかというと、これが異なるのである。

利用できる路線ということでは、Kitaca、PASMO、はやかけん、nimoca、SUGOCAについては、違いはない。

ただし、Suica、manaca、TOICAは、manacaエリアの「あおなみ線」「ゆとりーとライン」が使えるのである。(他のICカードは使えない)
http://manaca.jp/info/pdf/20130323.pdf

また、PiTaPaは一部社局ではいまだ全国相互サービスとなっておらず、ICOCAのみ対応である。
http://www.pitapa.com/img/area/pitapa_outside.pdf
PiTaPaで他のエリアを利用する場合は、事前にカードに別途チャージをする必要がある。

ちなみに、長いことサービス外となっていた「北神急行電鉄」「神戸電鉄」は2015/3/3から全国相互サービスになったのである。
http://www.hokushinkyuko.co.jp/pdf/150127.pdf

さらに、ICOCAについては広島県内の交通事業者で使える「PASPY」も、使えるのである。(いわゆる片対応なのでICOCAしか使えない)
http://www.paspy.jp/qanda/index.html

結論として、SuicaとICOCAを両方持ってようやくフルカバーになるかな、ということのようである。

そうそう。2015/3/26から北陸本線から分離した「あいの風とやま鉄道」で、ICOCAが導入された。これは相互対応。ただし払い戻しなどの駅での取り扱いは2016年春まで、ICOCAの取扱駅まで行かないとできない。
http://ainokaze.co.jp/pc/pdf/icoca.pdf

全国共通交通系ICカードと片対応なのは、「SAPICA」(札幌市交通局、北海道中央バス、じょうてつ、ジェイ・アール北海道バス)「りゅーと」(新潟 交通)「odeca」(JR東日本の気仙沼線・大船渡線のBRT)である。これら3種類のエリアで全国共通交通系ICカードはつかえるが、全国共通交通系 ICカードエリアで、これらのICカードは使えない。

電子マネー機能については、PiTaPaが仲間はずれで、他のは同じように利用できる。(チャージをしないポストペイだから、らしい)

モバイルSuicaは、基本Suicaと同様の機能があるが、
・自動券売機ではチャージ等ができず、払い戻し等も窓口なので面倒。
・新幹線でも利用できる。追加してエクスプレス予約の会員になれば、年会費が必要だが、九州新幹線以外は利用できる。
・乗降駅の最低区間運賃分(最低でも133円高いと200円程度)をチャージしていないと、改札口では止められる。(新幹線専用改札は通過できる)
・EASYモバイルSuicaでは、かなり機能が制限される。
・カード型のように自ら電子回路に発電する機能がないので、携帯電話の電池切れが起こると、使用できなくなる。
・iPhoneなど、おサイフケータイに対応していない携帯電話は使えない。

ただし、青森・盛岡・秋田・山形・長野エリアのほとんどの新幹線停車駅では、Suicaエリア外なので、新幹線改札口は通過できても、下車した駅以外の
在来線改札口で止められる。

JR東日本の東京近郊の電車で行っているSuicaグリーン券サービスは、SuicaとPASMO、Kitaca、TOICAだけらしい。他のICカードの場合は駅改札外の自動券売機をご利用ください(つまり紙のグリーン券で)、とのこと。

つまり、あくまで都市近郊のエリア限定で途中下車無効の1日有効乗車券として交通系ICカードは設定されているのである。このため、エリアをまたいだ利用は出来ないのである。また、共通化する都合、同一のサービスが受けられない例もあるのである。


・デポジットなしの交通系ICカード など
(2015/09/22)

ほとんどの交通系ICカードは、発行時デポジット分として500円を含んだ料金で発売している。払戻手数料もたいがい210円か220円だが、これはチャージ分0円の場合は手数料は取られない。

日立電鉄交通サービスの「でんてつハイカード」では、デポジット分は200円である。
http://www.hitachi-dentetsu.co.jp/bus/bus_pdf/j_dentetsubus_hi_card_annai.pdf

広島のスカイレールサービスのICカードは、デポジット分は無い。
http://www.mlit.go.jp/tetudo/iccard/sky.pdf

長崎スマートカードも、デポジット分は無い。(モバイルも同様)
http://www.naga-den.com/kikaku/ic/qa.htm

北海道北見バスのバスカードも、デポジット分は無い。

その他、PiTaPa(ポストペイでクレジットカードと紐つけ)やモバイルIC、クレジットカード一体の交通系ICカードは、デポジット分がないらしい。

ついでに、交通系ICカードはチャージ・乗降など何らかの取り扱いをしないと、10年で失効するという規定がある。

伊予鉄道の「ICい~カード」は、2015/4/1からこの規定を撤廃した。
http://www.iyotetsu.co.jp/topics/15/e-card.html

利用者の利便性を考えれば当然の処置だと思う。
ちなみに、北海道北見バスのバスカードは7年である。(バスカードの裏面に書いてあった。実は7年2か月ぶりに使って、止められた)


・チャージを使わない交通系ICカード
(2015/09/22)

日本で運用されている交通系ICカードは、基本的にプリペイド方式であり、カードにチャージ(現在は1円単位の)情報をホールドし、それを入場・出場情報とあわせて課金し、チャージ金額を減ずる対応をしている。

そのため、駅やバスなどに一旦利用情報を保存し、都度情報をサーバーに集めて処理するという方法をとっているらしい。

でも「PiTaPa」はポストペイという方式を採用していて、エリア内について、
入場・出場及び電子マネー利用といった情報のやりとりしかしていないらしい。
これは、一旦サーバーに情報を集め、その後ある一定期間で課金をし、利用情報をまとめて提示するからである。このため、自動券売機での利用明細はPiTaPaエリアのものと他のエリアのものでは異なる。

また、年1回PiTaPaを利用しないとクレジットカードの「年会費」とかPiTaPa「維持管理料」が課金される。

ただし、PiTaPa以外のエリアでは一旦チャージ情報を書き込んで、他の交通系ICカードと同様の取り扱いをしている。

これと同じような仕組みなのは、JR東海・JR西日本の「EX-ICカード」である。これは、別個クレジットカード会員であることが必要で、乗降時自動改 札でかざすものである。これは、他の交通系ICカードと同様にカード個別のID番号を読み取り、予約情報のあるサーバーとやりとりをして、入場・出場の管 理及びICご利用票に利用情報を印字して出すものである。

このEX-ICカードは、他の交通系ICカード(モバイルSuicaは除く)と2枚重ねて利用することができる。カード内のアンテナが異なるため、新幹線-在来線の乗り換えをする際に、新幹線の乗降情報の確認と交通系ICカードの乗降情報を記録できるようになっている。
これは、東海道・山陽新幹線の自動改札でできるようになっているし、新幹線自動改札が在来線自動改札の中にある場合、必ずチャージが最低区間運賃分ある交通系ICカードをかざす必要がある。
(磁気券と併用する場合は、まず磁気券を自動改札に通し、その後EX-ICをタッチする)
ただし、乗車駅として予約された駅のみ、EX-ICカードが反応し乗車できる。
(東京駅で予約された場合のみ、品川駅からも乗車できます)

ちなみに、JR東日本の新幹線ではモバイルSuicaの利用を前提にしているため、2枚重ねといった対応はできない。

このため、EX-ICサービスを利用し、東京駅でJR東日本の新幹線に乗り換える場合は、一旦東海道新幹線の改札を出なければならず、乗継改札は利用できない。また、モバイルSuicaでEX-ICサービスを利用するのも同様である。

別途自社でないクレジットカードで入会できるプラスEX(東海道新幹線限定)もあるが、基本的仕組みは同じである。

年会費が基本的に無料なので、同種の交通系ICカードがあるのは、航空会社のものである。(クレジットカード一体のものには、年会費がかかる)

全日空は「ANAマイレージクラブカード」
日本航空は「JALマイレージバンクカード」である。
いずれもおサイフケータイによる携帯電話でも同種の取り扱いができる。

こちらは、通常の搭乗券ではQRコードを読み取って行うものを、ICカードで行うものである。かつては、磁気カードだったものを、順次カード切り替えで方 式を変更しつつ、現在の非接触ICカードへ変わっていっている。その過渡期に、ANAはEdy(現在楽天Edy)とJALは独自の電子マネーを使えるよう にしていたのだが、JALはその後空港以外では全然使えない電子マネーの取り扱いを終了。現在WAONとのセットのカードを出している。

JALはタッチ&ゴーサービス、ANAはスキップサービスということで、マイレージカードの電子マネー機能を流用して、手荷物検査場及び搭乗口前 の自動改札機でカード毎のIDを読み取り、サーバーの予約情報と照合し、必要に応じて搭乗口・座席番号を印字して案内として出す。
(このため、JALの電子マネー機能のないものは利用できない)

航空会社の場合、出発側で2回程度使う(手荷物預け入れの時も必要)が、到着ではその必要はない。

・SuicaとPASMOしか使えない社局 など
(2015/09/23)

Kitaca,Suica,TOICA,ICOCA,SUGOCA,はやかけん,nimocaは、全国共通相互利用で制約無くどの路線も使えるが、manaca,PiTaPaでは、Suica,TOICAのみとかICOCAのみという制約付きの路線もある。

同様に、PASMOについてもSuicaしか使えない路線がある。

多摩都市モノレール
http://www.tama-monorail.co.jp/inquiry/faq/index.html
千葉都市モノレール
http://chiba-monorail.co.jp/index.php/ticket/pasmo/
横浜シーサイドライン
http://www.seasideline.co.jp/fare_ticket/pasmo/

ついでに調べていくと1000円か500円が最小チャージと思っていたが、10円単位でチャージできる社局があるとのこと。

西武鉄道(窓口で)
http://www.seibu-group.co.jp/railways/railway/ticket-info/pasmo/1206284_1405.html
小田急電鉄(券売機で)
http://www.odakyu.jp/train/ticket/pasmo/charge/
東急電鉄(窓口・券売機で)
http://www.tokyu.co.jp/railway/railway/west/eigyou/PASMO/konyuchargekasho.html
東京都交通局(券売機で)
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/other/kanren/pasmo_charge.html
東京地下鉄(東京メトロ、券売機で)
http://www.tokyometro.jp/notice/pdf/info_2014041002.pdf
東武鉄道(券売機で)
http://railway.tobu.co.jp/ticket/ticket/kenbai.html
…と、関東私鉄の多くで対応できるようである。

10円単位でののりこし(精算)については、精算機が
JR北海道(Kitaca)、JR東日本(Suica)、PASMOの多く、PiTaPaのうち京阪電鉄、近畿日本鉄道、阪神電気鉄道、山陽電鉄、大阪市交通局で対応しているらしい。

そうそう。PASMO取扱事業者の鉄道事業者でも、伊豆箱根鉄道駿豆線、東京都交通局上野懸垂線はPASMOは使えない。
バスに至っては、数が多すぎてたぶん把握は無理っぽい。


以上。

直近は、ツイッターで気づいたら情報をアップしているので、参照されたし。( @sh_kato )




2016年3月6日初出


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